【クリスペガバナンス提案】NFTレンタルマーケットはNFTの価値を下げるのか?

「世界に9枚しか無いカードが存在するカードゲーム? そのカード使えなかったら面白くないじゃん」

ブロックチェーンゲーム『クリプトスペルズ』のHP を最初に見た自分の感想です。

「まぁけど触る前に否定してもしょうがない、とりあえず遊んでみよう」

結果。

「ユーザーがカード発行できる、ユーザー投票でカードが変化する、コミュニティ運営で稼げる !? めっちゃ面白いじゃん。。。」

いつの間にかNFT保有値1位になっておりました。

前置きが長くなりました。その超面白いクリプトスペルズにガバナンス提案という機能が追加されました。カードのパラメータだけでなく、ゲームの運営自体に意見ができる機能です。本当に凄いと思います。未来のゲームですね。

本記事では、提案させていただいたガバナンス提案「レジェンドカードレンタルマーケットの復活」の背景を説明します。せっかく提案したのに誤解されて否決になったら悲しいからです。

提案内容

提案内容はレジェンドレアリティ以上のカードを簡単にレンタルできる機能の復活です。レジェンドカードを貸したい人と借りたい人が簡単にやり取りできる機能の復活です。

なぜこの提案を行ったかの背景説明の前に前提となる事実を載せておきます。

前提事実

・ギルド内レンタル機能は既に存在する

ギルド内でのレンタル機能は「ガス代高騰&ギルドリーグ戦」用に実装されています。そのためNFTレンタル自体の是非はここでは問題になりません。

・ギルド内有償レンタルは行われている

公式大会前にはギルド内での有償レンタルが行われていました。

・提案者(廃猫)はレジェンドカードを全種持っている

・レンタルマーケットは時期尚早ということで一時停止されている

詳細→ホトドギスさんの記事 [クリスペ]アセットのレンタル機能は悪なのか?

提案再掲

つまり提案内容は正確には「レジェンドレンタル機能を新しく公開する」ではなく「現在のギルド内レンタルをギルドに限らず利用できるようにし、個々人の取引が円滑にできる用にマーケットの形で公開する」になります。

提案のメリット

レジェンドレンタルマーケット機能による主なメリットは6つあります。

1.現在のギルド内レンタルの不便さが解消される

2.新規ユーザーの参入障壁が下がる

3.レジェンドのアクティブ枚数が増える

4.レジェンドホルダーのゲームin率が向上する

5.引退投資家が出づらい

6.長期的にレジェンドカードの価値が向上する

それぞれ説明します。

1.現在のギルド内レンタルの不便さを解消する

現在はギルド内のみレンタル可能です。無償レンタルであれば問題ないのですが有償レンタルになると大変です。まずはレンタル希望者を探して、その相手と価格を調整してレンタルします。価格をゲーム内通貨にした場合は、ゲーム内通貨の直接取引はできないため不要カードの売買をすることで擬似的にゲーム内通貨を移動させる必要があります。相手を信用しての取引になるため、カードを送る方も受け取る方もストレスがかかります。マーケットの形になればお互いストレス無くやり取りできます。

2.新規ユーザーの参加ハードルが下がる

冒頭に戻ります。「世界に9枚しか無いカードが存在するカードゲーム? そのカード使えなかったら面白くないじゃん」 新規ユーザーにとって9枚しかないカードが存在し、その保有者しかそのカードを使えないゲームの参加ハードルは高いのではないでしょうか。参加するからにはTOPを目指したいと思うユーザーも多いと思います。「9枚しか存在しないカードはあるけど買わなくても借りて使うこともできますよ」という文面がHPにあれば、参加ハードルが下がるのではないでしょうか。

3.レジェンドのアクティブ枚数が増える

「使ってないじゃん!」発行枚数19枚のレジェンドカード「ニャルラトホテプ」を購入しようと思って保有者を調べたときです。クリスペのカードは1枚1枚IDを持っているため所有者を簡単に見ることができます。 例:NO1ガイン
「ニャルラトホテプ」を調べた時、クリスペを遊んでいないユーザーの多さに驚きました。例えばオニキスのギルドオーナー、マイクリはレジェンドカードを2枚所有(フリッグ、ブロッサム)していますが使われていません。こうなると実際の発行枚数は19枚でもゲームで登場するのは(アクティブ枚数は)数枚ということにもなってきます。これでは環境の多様性が失われて面白く無いと思います。断っておきますとゲームをしないことは本人の自由なので何の罪もありません。レンタルマーケットが復活すればゲームを現在遊んでいないユーザーも収益を上げられるためゲーム内のレジェンドカードアクティブ枚数が増えるのではないでしょうか。NFTには保有者と使用者という属性が必要だと思います。

4.レジェンドホルダーのゲームin率が向上する

今回の提案ではレンタル可能期間を1週間にしました。これには2つの意味があります。1つは週毎にレジェンドを借りたい需要が変わるため価格も1週間単位が合っているということ(例:チャレンジカップの週は需要が増加する)。もう1つはレジェンドホルダーに1週間に1回レンタル出品のためにゲームにログインさせることができることです。継続的にゲームに関心を持ってもらうことに繋がると思います。

5.引退投資家が出づらい

クリスペは収益を得られるため投資家の参入が多いと思います。私も株式を主とする投資家です。投資で安定して利益を得られるのは長期投資です。短期の価格はランダムで動き完全な予想をすることはできません。では理想的な長期投資をするにはどうすればいいでしょうか? ネット証券会社のフィデリティが2003年~2013年の顧客パフォーマンスを調査したところ、投資成績のよかった人の1位は「亡くなっている人」、2位は「運用しているのを忘れている人」だったそうです。自分が投資をしている(ポジションを持っている)ことを忘れていればストレスなく理想的な長期投資ができますね。NFTでも同じことが言えます。自分がNFTを持っていることを忘れていたら10年後に大きな価値になっていた、というケースが想定されます。長期投資家であれば「自分がポジションを持っており売りたくなるのを阻止するには値動きを見ないこと」と理解しています。そのため投資家がクリスペに参入した場合、NFTを買ってそのままゲームを二度とプレイしない引退投資家になることが想定されます。株式であれば問題ないのですがゲーム内アイテムですと先程述べたアクティブ数が減るため既存ユーザーは困ります。極端な話、9枚発行のレジェンドカードを9枚とも買ってゲームをしない投資家も出てくるかもしれません。つまりゲーム運営としては長期的に関わって欲しい(長期投資家は歓迎)けれどゲームにも関わっていて欲しいということになると思います。レジェンドレンタルマーケットがでれば放置するよりも貸すことで次章に紹介するインカムゲインを得られるため、引退投資家が出づらいと考えられます。

6.長期的にレジェンドカードの価値が向上する

運営のコメントでは「安価にレジェンドカードが使えることによりレジェンドカードの価値が低下する可能性がある」とされていました。確かに現在のアクティブユーザー数を鑑みると短期的に価値が下がる可能性は考えられます。一方で自分はレンタルマーケットによってレジェンドカードの価値は長期的に向上すると考えています。理由は下記です。ちなみに前提としてクリスペは更に成長しユーザー数も向上するという立場の意見です。

インカムゲインの価値が上乗せされる

インカムゲインとは「資産を保有することで継続的に受け取ることのできる収益」を指します。これに対してキャピタルゲインは「保有していた資産の値段変動によって得られる収益」を指します。今までNFTではキャピタルゲインが見込まれていましたが、レンタルによってインカムゲインも見込めます。その分の価値が上乗せされて取引されるため価値は向上すると考えられます。

TAV(トータルアセットバリュー)の価値が向上する

今後TAVによって得られる恩恵が徐々に増えてくることが運営の発表からわかっています。レジェンドカードをレンタルしてもTAVは移動しません。そのためTAVの価値が向上すればレジェンドカードの価値も向上します。現在のTAV機能は投票数・ガバナンス提案・クエスト回数の増加・ユーザーAIになります。

長期投資がしやすくなるから価値が上がる

理想的な長期投資は投資していることを忘れることと言いましたが、次点は自分が売らない仕組みを作ることです。ブロックチェーンゲームのNFTを売りたくなるタイミングはいくつかあります。「ゲームに飽きた」「ゲームで遊ぶ時間が取れなくなった」などは代表的な例だと思います。その時に「売らない理由」を持つことができれば手放してしまう感情を抑えられます。その売らない理由としてインカムゲインを得られるレンタルマーケットが機能すると考えています。

以上が今回のガバナンス提案でレンタルマーケットを提案した理由になります。

提案のデメリット

デメリットも勿論あります。短期的に考えられる大きなデメリットは、レンタル需要が少なくインカムゲインが得られないことです。その状況からレジェンドカードの価値が下落することです。付随して上記に述べたメリットが機能しなくなります。実際、今のアクティブユーザー数を考えるとレンタルマーケットが出たとしても借りる人は少ないだろうと考えられます。そのためこの提案はクリスペのユーザーが増加し、レンタル需要も増加するという前提に立った提案になります。直近では拙著「ブロックチェーンゲームの始め方・遊び方・稼ぎ方」の出版、コインチェックのNFTマーケットでのクリスペカードの販売という材料があるためユーザー数は増えると考えます。

また、考えられる反発として「チャレンジカップや公式大会でのNFTレンタルは認めたくない」というNFTレンタル自体に対する意見が考えられます。NFTレンタル自体は既にギルド内限定ですがリリースされているため議論は必要ないと思います。自分はレンタルが無ければ札束で殴るつまらないゲームに近づくためゲームを面白くするためにもレンタルはあった方がいいという立場です。NFTレンタルって新しい体験でワクワクしますし。

長々とお付き合いいただきありがとうございます。上記の背景を踏まえて投票いただけると嬉しいです。

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